【初心者向け】ミシン糸の種類と選び方|生地別の使い分けを元ミシン屋が徹底解説
「ミシン糸って、どれを買えばいいの?」
手芸店に行くと色とりどりの糸がずらりと並んでいて、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。実は、糸選びを間違えると縫い目がつれたり、糸が途中で切れたり、仕上がりが思うようにいかないことがあります。
元ミシン屋として多くのお客様の相談に乗ってきた経験から言うと、糸選びのコツはシンプルです。「生地の種類に合った糸を選ぶ」、これだけです。
この記事では、初心者の方でも迷わず糸を選べるよう、生地別の選び方とフジックスのおすすめミシン糸を種類ごとにわかりやすく解説します。
ミシン糸の基本知識
番手(糸の太さ)とは?
ミシン糸のパッケージには「#60」「60番」といった数字が書かれています。これが番手と呼ばれる糸の太さを表す単位です。
ポイントは、数字が大きいほど糸が細くなるという点です。
- #90 → 細い(薄地向け)
- #60 → 中程度(普通地向け)
- #30 → 太い(厚地向け)
薄い生地に太い糸を使うと針穴が目立ったり生地が傷んだりします。逆に厚い生地に細い糸を使うと強度が足りず糸が切れやすくなります。生地の厚さに合わせて番手を選ぶことが大切です。
ミシン糸の素材
家庭用ミシン糸の素材は主に以下の3種類があります。
ポリエステル 現在もっとも広く使われている素材です。強度があり、洗濯にも強く、色数も豊富です。初心者の方はまずポリエステル糸を選んでおけば間違いありません。
ナイロン 伸縮性があるため、ニットなど伸びる生地の縫製に使われます。代表的な糸がレジロンです。
シルク(絹) 天然繊維ならではの光沢としなやかさが特徴です。シルクやウールなどデリケートな素材に使います。
生地別・糸の選び方一覧表
| 糸の名前 | 向いている生地 | 主な生地例 |
|---|---|---|
| シャッペスパン #90 | 薄地 | オーガンジー、シフォン、ローン、ボイル |
| シャッペスパン #60 | 普通地 | ブロード、シーチング、ツイル、綿ポリ、リネン |
| シャッペスパン #30 | 厚地全般 | デニム、帆布、キルティング、ウール地 |
| ジーンズステッチ | デニム・厚地専用 | デニム、厚手キャンバス |
| レジロン | ニット・伸縮生地 | 天竺ニット、フライス、スウェット、水着生地 |
| ファインミシン糸 | 普通地・薄地(光沢素材) | サテン、タフタ、ジョーゼット |
| タイヤー絹 | シルク・ウール地 | シルク、ウール、カシミヤ |
| キングレザー/バッグ用 | 革・合皮・厚手バッグ生地 | 本革、合成皮革、厚手ナイロン |
フジックスのおすすめミシン糸を種類別に解説
シャッペスパン
フジックスの定番ミシン糸で、初心者からベテランまで幅広く使われています。ポリエステル100%でありながら、綿糸のような縫いやすさと美しい光沢を持つのが特徴です。
番手によって対応できる生地が変わるため、作るものに合わせて選びましょう。
#90(薄地用) オーガンジー、シフォン、ローン、ボイルなど薄手の生地に対応します。細い糸なので生地に負担をかけず、きれいに縫い上がります。
#60(普通地用) ブロード、シーチング、ツイル、綿ポリ、リネンなど一般的な生地に幅広く対応します。迷ったらまずこの番手を選べば間違いありません。
#30(厚地用) デニム、帆布、キルティング、ウール地など厚手の生地に対応します。太めの糸でしっかりと縫い合わせることができます。
レジロン
ニットや伸縮性のある生地専用のミシン糸です。ナイロン100%で作られており、生地の伸びに合わせて糸も伸びるため、縫い目が引きつったり糸が切れたりしにくいのが最大の特徴です。
天竺ニット、フライス、スウェット、水着生地などに使用します。ミシン針はニット専用針を合わせて使うとさらにきれいに仕上がります。
ジーンズステッチミシン糸
デニムや厚手の生地に特化した専用糸です。強度と生地へのフィット感が高く、何度洗濯してもほつれにくいのが特徴です。デニム、厚手のキャンバス生地などに使用します。
シャッペスパン#30でもデニムは縫えますが、ジーンズステッチはさらに強度が高く、ステッチを目立たせたいときや洗濯頻度が高いものに特におすすめです。
ファインミシン糸
シルクのような断面を持つポリエステル糸で、美しい光沢と滑らかな縫い心地が特徴です。細くても強度があるため、光沢素材や薄手の生地を上品に仕上げたいときに活躍します。サテン、タフタ、ジョーゼットなどの光沢素材や薄地に向いています。
タイヤー絹ミシン糸
シルク100%で作られた絹ミシン糸です。天然繊維ならではの美しい光沢としなやかさがあり、素材の風合いを損なわずに縫い上げることができます。シルク、ウール、カシミヤなど高級素材の生地に使用します。素材に合った糸を使うことで、仕上がりのクオリティがぐっと上がります。
キングレザーミシン糸 / バッグ用ミシン糸
本革や合成皮革など、レザークラフトに特化したミシン糸です。強度が高く、針穴が目立ちにくい設計になっています。本革、合成皮革、厚手のナイロン生地などに使用します。バッグ用ミシン糸は生地なじみの良さを重視した設計で、バッグ制作全般に向いています。
糸と針はセットで選ぶ
糸を選んだら、針の号数もあわせて確認しましょう。糸と針の組み合わせが合っていないと、糸が切れたり縫い目が乱れたりする原因になります。
| 糸の番手 | 針の号数の目安 |
|---|---|
| #90(薄地) | 9〜11号 |
| #60(普通地) | 11〜14号 |
| #30(厚地) | 14号 |
| レジロン | 11〜14号(ニット専用針) |
| ジーンズステッチ | 14号 |
基本的には糸が細いほど針も細く、糸が太いほど針も太くと覚えておくとシンプルです。
よくある失敗と対処法
糸選びを正しくしても、縫い方や設定によってトラブルが起きることがあります。よくある原因と対処法をまとめました。
糸が途中で切れる
糸が切れる原因は糸の選び方だけでなく、糸調子の設定や針の号数のミスマッチが原因になることもあります。また、糸のかけ方が正しくない場合も糸切れにつながります。
詳しい原因と対処法はこちら→ ミシン糸が切れる原因と解決策
縫い目がつれる・表と裏で糸の引き具合が違う
これは糸調子のズレが主な原因です。上糸と下糸のバランスが取れていないと縫い目が片側に引っ張られたように見えます。
詳しい原因と対処法はこちら→ 糸調子が合わないときの直し方
https://sewingmachine-rescue.com/mishin-itocyoushi-awanai/うまく縫えない・縫い目が飛ぶ
針の号数と糸の太さが合っていない、針が古くなっている、糸のかけ方が間違っているなどが考えられます。
詳しい原因と対処法はこちら→ ミシンが縫えない原因まとめ
まとめ
ミシン糸の選び方は、シンプルに「生地の厚さと種類に合った糸を選ぶ」が基本です。
- 普通の布地にはシャッペスパン#60が万能
- ニット・伸縮生地にはレジロン
- デニム・厚手にはジーンズステッチ
- 光沢素材・薄地にはファインミシン糸
- シルク・ウールにはタイヤー絹
- 革・合皮にはキングレザー/バッグ用ミシン糸
正しい糸を選ぶだけで、縫い上がりのクオリティはぐっと変わります。ぜひ参考にしてみてください。
ミシンのトラブル全般についてはこちらにまとめています。 → ミシントラブル完全ガイド
