ミシンで裾上げする方法|直線縫い・まつり縫いの手順を元ミシン屋店長が解説

この記事でわかること
ミシンで裾上げしたいけど、どうやればいいかわからない。そんな方のために、この記事では以下の内容を解説します。
- 裾上げに必要な道具
- 直線縫いでの裾上げ手順
- まつり縫いでの裾上げ手順(ミシンのまつり縫い機能を使う方法)
「直線縫い」は誰でもやりやすいベーシックな方法。「まつり縫い」は表から縫い目がほとんど見えない仕上がりになる方法です。どちらもミシンがあれば初心者でも十分できます。
裾上げに必要なもの
まずは道具を揃えておきましょう。最低限必要なのは以下のとおりです。
必須の道具
- ミシン
- ミシン糸(生地に近い色)
- まち針またはソーイングクリップ
- アイロン・アイロン台
- 定規またはメジャー
- チャコペンまたはチャコペーパー
このなかで特に重要なのがアイロンです。折り目をアイロンでしっかり固定してから縫うかどうかで、仕上がりの差がはっきり出ます。省いてしまいがちですが、きれいな仕上がりを目指すなら必須の工程です。
また、ミシン針は素材に合ったものを使うのが基本です。
ポリエステルやコットンの薄~中厚地であれば11番か14番、デニムのような厚地なら16番を使います。
たまに100均で購入したミシン針を使用されている方がいらっしゃいますが、品質が良くないことがあるのでおすすめしていません。
直線縫いでの裾上げ手順
直線縫いは最もオーソドックスな裾上げの方法です。スラックス・スカート・ジャージなど、幅広いアイテムに対応しています。仕上がったあとに表から縫い目が見えるのが特徴です。
① 仕上がりの長さを決める
まず、実際に履いた状態で仕上がりの長さを確認します。靴を履いた状態で確認するのが基本です。左右で長さがずれやすいので、両脚とも確認してください。
② 折り上げる位置にしるしをつける
チャコペンやチャコペーパーを使って、折り上げる位置にしるしをつけます。縫い代は1.5〜2cm程度が目安です。折り代が多い場合はあらかじめカットしておきましょう。
③ 折って、アイロンで固定する
しるしの位置で裾を内側に折ります。基本は2回折り(三つ折り)にすると、端がほつれにくくきれいな仕上がりになります。
折ったらアイロンで折り目をしっかりつけます。まち針やクリップで仮固定する前にアイロンをかけておくと、後の工程がスムーズになります。
2回折りの手順:
- 裾の端を0.5〜1cm折ってアイロンをかける
- さらに仕上がり寸法分だけ折ってアイロンをかける
④ まち針またはクリップで仮固定する
ズレを防ぐために、まち針またはクリップで固定します。間隔は5〜10cmほどで、縫い進める方向に対して直角に刺すのが基本です。
⑤ ミシンで縫う
縫い目は直線縫い、針目は2.5〜3mmが目安です。縫い始めと縫い終わりは返し縫いをしてほどけないようにしてください。
縫う位置は折り目の端から2〜3mmのところ。一定の幅をキープしながらゆっくり縫い進めるのがきれいに仕上げるコツです。生地を引っ張りながら縫うとゆがみの原因になるので、引っ張らず生地をなだらかに送ることを意識してください。
⑥ 縫い終わったらアイロンをかける
縫い終わったあとにもアイロンをかけておくと、縫い目が落ち着いてよりきれいな仕上がりになります。
まつり縫いでの裾上げ手順
まつり縫いは、表側から縫い目がほとんど見えない仕上げ方です。スラックスやスーツ、フォーマルウェアなど、「縫い目を目立たせたくない」素材やシーンに向いています。
ミシンのまつり縫い機能(ブラインドステッチ)を使えば、手縫いに比べて時間をかけずにきれいに仕上げられます。
まつり縫いに対応しているミシンかどうか確認する

まつり縫い機能があるミシンの場合、縫い模様の選択肢に「まつり縫い」または「ブラインドステッチ」があります。マークは機種によって異なりますが、直線とジグザグが組み合わさったような形のマークが一般的です。
また、まつり縫い専用の押さえ(ブラインドステッチ押さえ)が必要です。ミシンに同梱されている場合と、別売の場合があります。手元にない場合は確認してみてください。
⚠️注意 お持ちのミシンで使用することができるか必ずご確認ください。
① 裾を折る(直線縫いと同様)
直線縫いのときと同じように、仕上がりの長さを決めてアイロンで折り目をつけます。
② まつり縫い用の折り方にする
ここがまつり縫いで最も重要なポイントです。

折り目をつけた状態から、裾の折り返し部分だけを表側に少し折り戻します。端が少し飛び出した状態になります。この「少し戻す」折り方が、針が生地表面をほんの少しだけすくう動きをつくります。
慣れないうちは折り目がくずれやすいので、クリップで固定しながら進めると作業しやすいです。
③ まつり縫い押さえに交換する
通常の押さえをまつり縫い押さえに交換します。大体押さえと接続されている棒の後ろ側に黒またはシルバーのポッチがついているのでそこを押すと外れます。
外したらまつり縫い押さえを取り付けます。棒側の凹んでいる部分と押さえの細い棒がくっつく形になります。
そこを目掛けて押さえ上げレバーを何度か上げ下げすると取り付けることができます。
詳しくは押さえの交換方法はミシンの説明書を確認してください。
④ 縫い模様を「まつり縫い」に設定する

ミシンの縫い模様をまつり縫い(ブラインドステッチ)に切り替えます。針の振り幅は小さめに設定するのが基本です。針が深く入りすぎると表に縫い目が目立つので、最初は振り幅を最小にして試し縫いするのがおすすめです。
⑤ 試し縫いで調整する
本番の生地で縫い始める前に、同じ素材の端切れで試し縫いをしましょう。縫い終わったら表側から縫い目の目立ち方を確認して、振り幅を微調整します。
- 縫い目が目立ちすぎる → 振り幅を小さくする
- 生地がつれる・縫い目が全く入らない → 振り幅をわずかに大きくする
⑥ 本番を縫う
調整が取れたら本番を縫います。ゆっくりと縫い進めることが大切です。まつり縫いは通常の縫い速度より遅めに送るのが仕上がりをきれいにするコツです。
⑦ 縫い終わったらアイロンで整える
縫い終わったあとにアイロンをかけると、縫い目が馴染んでほとんど目立たない仕上がりになります。
直線縫いとまつり縫い、どちらを選ぶか
迷ったときの判断基準はシンプルです。
直線縫いが向いているケース
- カジュアルなボトムス(ジーンズ、カーゴパンツなど)
- 縫い目が表に出ていても気にならない素材・デザイン
- 初めての裾上げで、まずやってみたい
まつり縫いが向いているケース
- スラックス、スーツ、フォーマルウェア
- 縫い目を目立たせたくない薄手や柔らかい生地
- ドレスやスカートなどきれいな仕上がりにしたい
まつり縫いの方が工程が少し多いですが、仕上がりの見た目は縫い目が目立たず美しいです。使っているミシンにまつり縫い機能があるなら、一度試してみる価値はあります。
私もそうでしたが、はじめて、まつり縫いをしたときはあまりかっこよくできないかもしれません。多少のスキルがいります。ですので、初めておこなうときはあまり高価ではないパンツなどで試してみるといいかもしれません。
まとめ
ミシンでの裾上げは、手順を把握してしまえば初心者でも十分できる作業です。
仕上がりをきれいにするための基本は変わりません。アイロンで折り目をしっかりつける、ゆっくり縫う、縫い終わったらアイロンをかける。この3点を意識するだけで仕上がりが大きく変わります。
「縫い目を表に見せたくない」という場合はまつり縫いを、「まずは基本の裾上げをやってみたい」という場合は直線縫いからはじめてみてください。
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初心者でも裾上げがキレイにできるおすすめミシンをこちらの記事でご紹介しています。
こちらで紹介しているミシンはすべてまつり縫いに対応しています。
よろしければ、あわせて確認してみてください。













