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家庭用ミシンと職業用ミシンの10個の違いとは?用途に合ったミシン選びをしよう!

洋裁やハンドメイドを始めたいと思ったとき、「家庭用ミシンと職業用ミシン、どっちがいいの?」という疑問にぶつかったことがある方も多いのではないでしょうか?見た目は似ていても、実はこの2つのミシンには多くの違いがあります。今回は、家庭用ミシンと職業用ミシンの違いを10個のポイントに分けてわかりやすく解説します。これからミシンを購入しようとしている方や、ステップアップを考えている方の参考になれば嬉しいです。

家庭用ミシンと職業用ミシンの違い一覧表

もちろん、ミシンによって性能の違いがありますので一概には言えません。

例えば、電動ミシンかコンピューターミシンかによっても大きな違いがありますし、コンピューターミシン同士でも3万円と10万円のものではパワーやスピード、対応できる生地の素材などに違いがあります。

ですので、以下の内容はあくまで一般的に言われている内容です。

比較項目家庭用ミシン職業用ミシン
1. パワー・スピード控えめ、ゆっくり強力、高速でスムーズ
2. 縫い目の美しさやや不安定になることも均一で美しい仕上がり
3. 対応素材普通の生地が得意極薄手〜厚手 重ね縫いも可能
4. 押さえ金の種類多機能・豊富少なめだが精度が高い
5. 耐久性・連続使用長時間使用は非推奨業務用レベルで頑丈
6. サイズ・重さ軽量〜重量級まで重量級
7. 操作性自動化・初心者・中級者手動操作・上級者向き
8. 縫い方の種類多機能(ジグザグ・飾り縫い等)基本は直線縫い専用
9. 価格帯3〜6万円台が主流10万円以上が一般的
10. 使用目的家庭用・趣味向き本格制作・業務用向き

それでは10個のポイントをそれぞれ詳しく説明していきます!


1. ミシンのパワーとスピードの違い

家庭用ミシンは、一般家庭での使用を前提に作られているため、静かで扱いやすいのが特徴です。しかし、パワーやスピードは控えめで、厚手の生地を縫うときには少し物足りなさを感じるかもしれません。

一方、職業用ミシンはプロユースを想定しているため、モーターが強力で縫うスピードも非常に速いです。厚手のデニムや何枚も重ねた生地でもスムーズに縫うことができ、時間短縮にもなります。


2. 縫い目の美しさと安定性

家庭用ミシンは、初心者でも扱いやすいように設計されていますが、縫い目が均一にならないこともあります。ですが、自動糸調子の機能が搭載されたミシンですと比較的には縫い目がキレイに出ます。

職業用ミシンは、縫い目の均一性や美しさにおいて家庭用よりも優れています。一定の力と速度で生地を送り出すため、仕上がりが非常にきれいです。


3. 縫える素材の幅

家庭用ミシンでは、コットンや柔らかいキルティングなど、一般的な素材は問題なく縫えますが、厚手のキャンバス地や革素材は苦手な場合があります。

職業用ミシンなら、レースなどの極薄生地から厚手素材、重ね縫いもスムーズに対応可能。趣味でバッグ作りや衣装制作などをする方にとっては、頼もしい存在です。


4. 使用できる押さえ金の種類

家庭用ミシンは、押さえ金の種類が豊富で、ボタンホールやジグザグ、刺繍など、多機能な押さえ金が用意されています。

職業用ミシンは基本、直線縫い専用です。


5. メンテナンス性と耐久性

家庭用ミシンはコンパクトで軽量な分、耐久性や連続使用時間には限界があります。長時間の使用には向いていません。

職業用ミシンは、業務用として設計されているため頑丈で、長時間の連続使用にも耐えられる作りになっています。定期的にオイル注しやメンテナンスをすれば、長く使えるメリットがあります。


6. サイズと重さ

家庭用ミシンは、家庭内での持ち運びや収納を考えて、比較的軽量でコンパクトに作られています。気軽に出して使えるのが魅力です。

一方、職業用ミシンは大きくて重く、専用の台や作業スペースが必要になる場合もあります。移動には不向きですが、安定性は抜群です。

重たいミシンの方が縫製中にミシン本体がガタつかないというメリットがあります。


7. 操作の簡単さ

家庭用ミシンには、自動糸通し機能や自動糸調子機能、タッチパネル操作など、便利な機能がたくさんついている機種もあります。初心者でも扱いやすく、操作も直感的です。

職業用ミシンは基本的にシンプルな作りです。糸調子をみたり、縫いスピードに慣れるまでに時間はかかりますが、自分でしっかりミシンをコントロールしたい方には向いています。


8. 縫い方の種類

家庭用ミシンは、多機能モデルが多く、ジグザグ縫い、ボタンホール縫い、飾り縫いなど、さまざまな縫い方が楽しめます。洋裁以外にもクラフト用途に適しています。

対して職業用ミシンは基本的に「直線縫い専用」です。縫い方のバリエーションは少ないですが、その分、直線縫いの精度と安定感は圧倒的です。


9. 価格帯

家庭用ミシンは、1万円台から購入できるモデルもあり、ちょっと縫いたい時用にぴったりです。多機能なモデルでも数万円程度で手に入ります。

現在、主流の家庭用ミシンと言えば、コンピューターミシンです。

ある程度の使用に適しているコンピューターミシンの相場は3〜6万円程度と言われています。

職業用ミシンは高性能な分、価格も高めで、10万円を超えるものが一般的です。ただし、その性能と耐久性を考えれば、長期的にはコスパが高いとも言えます。

趣味でも上級者の方や服飾系の学生さんもちろんアパレルのプロの方などは職業用ミシンを使用されている方が多くいらっしゃいます。


10. 使用目的に応じた適正

家庭用ミシンは、「ちょっとした洋裁」や「子どもの衣類補修」、「趣味のハンドメイド」など、ライトな使い方にぴったりです。操作も簡単なので、初心者には特におすすめです。

職業用ミシンは、「本格的な作品作り」や「販売目的の制作」、「厚手素材を多用する洋裁」に適しています。作品のクオリティを追求したい方や、副業・仕事としてミシンを使う方には強い味方となるでしょう。


まとめ

家庭用ミシンと職業用ミシン、それぞれに長所と短所があります。大切なのは、自分の目的やスキルレベルに合ったミシンを選ぶこと。初心者であればまずは家庭用からスタートして、必要に応じて職業用へのステップアップを考えるのもいいですね。

ちなみに職業用ミシンは「直線縫い専用」ですので生地の端の処理が苦手です。

職業用ミシンをお考えの方は、既製品のような端の処理ができるロックミシンもあるととても便利です。

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どちらのミシンも、使いこなせばあなたのハンドメイドライフをより楽しく、充実したものにしてくれるはずです。ミシン選びの参考になれば嬉しいです!

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けい
元ミシン屋兼ミシンアドバイザーのけいです。 このサイトでは、ミシン初心者さんから中級者さんに向けてミシンの使い方、調子が悪い時の対処方法やソーイング本などを紹介しています。