ミシンを使い始めたばかりの方からよく聞かれるのが、「どの糸や針を選べばいいの?」という疑問です。実は、糸と針はミシンソーイングの仕上がりを左右する非常に大切な要素。選び方を間違えると、縫い目がガタガタになったり、糸が切れやすくなったり、最悪の場合ミシンが故障してしまうこともあります。
この記事では、家庭用ミシンを使う際の基本的な糸と針の選び方を、初心者にも分かりやすく解説します。これを読めば、次に布選びをするときにも安心です!
1. ミシン糸の基本知識
■ ミシン糸にはどんな種類があるの?
ミシンで使う糸には主に以下の種類があります:
- スパン糸(ポリエステル):一般的で使いやすい。伸縮性もあり、初心者におすすめ。
- フィラメント糸:光沢があり、強度も高いが、やや扱いが難しい。
- 綿糸:天然素材。ナチュラル系の布や高温アイロンに向くが、伸縮性がなく、やや切れやすい。
- ウーリーナイロン糸:主にロックミシンで使用される。ふんわりした仕上がり。
初心者さんには、まず**スパン糸(ポリエステル)**をおすすめします。ほとんどの生地に対応し、扱いやすく、耐久性もバッチリです。
■ 糸の太さ(番手)について
ミシン糸には「番手(ばんて)」という太さの表記があります。数字が大きいほど糸は細くなります。
- 30番手:厚手の生地(デニム、帆布など)用。太め。
- 60番手:普通地(綿ブロード、オックスなど)に最適。汎用性が高い。
- 90番手以上:薄手の生地(ローン、シフォンなど)用。とても細い。
迷ったらまずは60番手を選べばOK。ほとんどのソーイングに使えます。
家庭用ミシンの機能として自動糸調子という糸調子を自動で合わせてくれるとても便利な機能が搭載されたミシンがあります。
その自動糸調子の糸調子は基本60番の糸に合うように設定されていますので、糸調子をあまりみないでキレイに縫いたい方は60番を使用するのがおすすめです。
2. ミシン針の選び方
■ ミシン針のサイズ(番手)について
針にも布の厚みに応じたサイズがあります。家庭用ミシン針では、以下の番手が一般的です。
針が太すぎると生地に穴が開いたり、逆に細すぎると針が曲がって折れてしまうことも。布の種類や厚さを基準に選びましょう。
⸻
■ 針の種類(形状)にも注目!
家庭用ミシン針には、用途に応じて様々な種類があります:
• 普通地用(万能針):ほとんどの生地に対応。迷ったらこれ。
• ニット用(ボールポイント):針先が丸く、ニット生地を傷つけずに縫える。
• ジーンズ用:太くて丈夫。厚手のデニムや帆布に対応。
• レザー用:革専用で、三角の針先が特徴。
例えば、Tシャツ用のニット地を縫うのに普通地用針を使うと、生地を傷つけて縫い目が飛んでしまうことも。生地に合った専用針を選ぶことで、ミシンの調子も仕上がりも格段に良くなります。
⸻
3. 糸と針の「組み合わせ」が大事!
糸と針は、それぞれ単独で選ぶのではなく、生地・糸・針のバランスを取るのが大切です。
例えば…
• 薄手のローン生地+90番糸+#9針:繊細な縫い目できれいに仕上がる。
• 普通地のブロード+60番糸+#11針:定番の組み合わせ。トラブルが少ない。
• 厚手の帆布+30番糸+#14針:しっかり縫えるが、ミシンのパワーも必要。
逆に、厚い生地に細い針・糸を使ってしまうと、針が折れたり、縫い目が引っ張られて不自然になります。ミシンの不調の多くは、この「組み合わせミス」によるものなんです。
⸻
4. 初心者さん向けおすすめセット
「何を買ったらいいか分からない!」という方に向けて、こんなセットから始めると安心です。
• スパン糸(60番)数色入りセット(白・黒・グレー・生成りなど)
• 普通地用ミシン針 #11(5本入り)
• ニットも縫いたいなら、ボールポイント針も追加
最近は100均でもミシン糸が手に入りますが、品質はまちまち。最初は手芸店で扱っている「フジックス」「シャッペスパン」などのしっかりしたメーカーのものを選ぶのがおすすめです。
⸻
まとめ:糸と針選びをマスターしよう!
ミシンの糸と針選びは、ソーイングの基本中の基本。でも、ちょっとした知識があれば失敗はぐっと減ります。今回のポイントをおさらいすると:
• 糸はスパン糸の60番から始めるのが安心
• 針は生地の厚さに合わせて#9〜#14を使い分け
• 生地・糸・針の「組み合わせバランス」が最重要!
最初は悩むかもしれませんが、使っていくうちに「この布ならこの針と糸だな」と感覚がつかめてきます。道具を味方に、もっと快適なソーイングライフを楽しんでくださいね!