SINGER(シンガー)の電動ミシン「SN55e」は、“必要な機能に絞ったシンプル機”なのに、価格.comのミシンランキングでも上位に入る定番モデルです(例:2025年12月時点でミシンランキング3位)。

一方で口コミを見ていると、「厚物はどこまでいける?」「糸絡みしない?」など不安になる声が出てくるのも事実。

この記事では、SN55eの特徴や使い勝手をレビューしながら、評判・クチコミの内容を整理して「どこが高評価につながっているのか」「どんな場面で不満が出やすいのか」「初心者さんでも使いやすいのか」を具体的に解説します。買ってから後悔しないために、SN55eのリアルな実力を一緒に確認していきましょう。



SN55eが向いている人

  • 価格.comでも上位の“コスパ機”を選びたい人(売れ筋・人気の定番を外したくない)
  • フットコントローラーで両手を使って縫いたい人(速度は足で調整)
  • 水平全回転釜(上からボビン)+自動糸通しで、準備のストレスを減らしたい人

SN55eが向いていない人

  • 趣味として頻繁に洋裁する/厚物を多層でガンガン縫う人(あくまで家庭用ミシンですので「職業用ミシンの代わり」と考えているとギャップが出やすい)
  • 手元ボタンでスタート・ストップしたい人(フットコントローラーでしか操作ができない)
  • 模様や文字縫いなど、多機能(コンピューターミシン)を求める人

種類 電動ミシン
サイズ コンパクトミシン(幅399mm×高さ297mm×奥行き180mm)
重さ 5.7kg
水平全回転釜
フットコントローラー
ワイドテーブル ×

SN55eは、フットコントローラーで速度をコントロールする電動ミシンです。軽く踏むと遅く、深く踏むと速くなるため、両手で布を押さえながら縫いやすいのが強み。
また、フットコントローラーを強く踏めば踏むほど生地を貫通するパワーもより出るのである程度の厚みがある生地でもしっかりと縫うことができます。


また、水平全回転釜でボビンの出し入れが上からでき、垂直半回転釜のミシンと比べて糸絡みがしにくです。

針穴に糸を通す際も自動針穴糸通しを使えば簡単に針穴に糸が通るので針穴糸通しが苦手な方にも嬉しいです。

縫える素材の目安(実用目線)

  • 得意:ブロード/シーチング等の綿、オックス、キルティング(薄〜中厚)、雑巾・袋物など
  • 工夫すれば対応:デニムの裾上げ(段差が少ない/重ねが薄い範囲)
  • 苦手になりやすい:厚手デニム多層、帆布の段差越えなど“硬い+多層”領域(ここで不満が出やすい)

価格.comではレビュー評価が高く、ミシンランキングでも上位に入っています。
傾向としては、「必要十分で扱いやすい」評価と、「剛性・厚物期待が高い人ほど厳しめ」評価に分かれやすいです。

良い口コミで多い傾向

  • 「準備がラク(水平釜・自動糸通しが助かる)」
  • 「シンプルで迷いにくい」「家庭用として十分」
  • 「フットコントローラーで縫いやすい」

悪い口コミで出やすい傾向

  • 「厚物や段差で詰まりやすい/パワーが足りないと感じる」
  • 「樹脂パーツが頼りなく感じる」など質感への不安(個人差)

結論として、口コミは概ね「本当」です。次の章で“つまずきポイント”の対策を、具体的にまとめます。


1) パワーが物足りない

SN55eは日常使いには十分ですが、厚物の段差やレザーなどの硬い生地では負荷が上がります。
対策

  • 厚いところはゆっくり踏むより、必要に応じて踏み込みを深くして“勢い”を出す
    (フットコントローラーで速度を速くする=貫通力が上がる)
  • 段差は一気に越えず、はずみ車で針位置を確認しながら進める
  • 段差は生地の送りが悪くなるので縫い目を少し粗くして生地の送りをよくする

2) 糸が絡む/下糸がぐちゃぐちゃになる

原因の多くは「上糸の掛け方」「ボビンのセット」「縫い始めの糸端処理」です。
対策(効く順)

  • 上糸:取扱説明書どおりに糸かけの順番を守る
    必ず押さえを上げた状態で糸かけを始める。
    うまく縫えないときは上糸をすべて外して、はじめからやり直す。←これでうまく縫えるようになることが良くある
  • 下糸:ボビンの向き/溝に正しく掛ける
    ボビンを入れる向きは反時計回りでボビンに糸が巻ける状態にして入れる
  • それでも絡む場合、針を新品に交換する。上糸調子を微調整する(下糸は調整しなくてOK!)。

3) 厚手が進まない/針が折れる/目が飛ぶ

対策

  • 新品の針に交換する
    パッとみた感じは針先の潰れや曲がりがなくても触ってみると潰れているのを確認できることがある
  • 針は厚物用を使用する(HA×1 #14〜#16相当)
  • 糸はシャッペスパンを使う(100均で売っている質の良くない糸を使用しない)
  • 段差ははずみ車で一針ずつ確認(針折れ予防)
  • 送り不良は、送り歯まわりの糸くず清掃も有効

4) 縫い目が詰まる/布が波打つ(薄物)

対策

  • 上糸調子を弱める(上糸調子ダイヤルの数字を少し小さい方に回す)
  • 針は細めのものを使用する(HA×1 #9〜#11相当)
  • 縫い目の長さを少し長めにして引きつれを抑える
  • 伸縮素材は接着芯や押さえ方の工夫

5) 新品時の油・におい/布に汚れが付く

購入直後は可動部の油が馴染むまで付着するケースがあります。
対策

  • 端布で試し縫いを繰り返し、油が落ち着くまで慣らす
  • 手が届く範囲でいらない布や綿棒で釜周りを軽く拭く
    (安全に行うために電源を必ずOFFにする)

メリット3ポイント

  • 水平全回転釜+自動糸通しで、準備がラク
  • フットコントローラー式で両手が使え、カーブや端のコントロールがしやすい
  • ある程度の重みがあるのでミシンを操作中にミシン本体がガタガタ揺れにくい

デメリット3ポイント

  • 厚物・段差では、期待値が高いほどパワー不足を感じやすい
  • スタート・ストップはフットコントローラーでするのでローテーブルなどの椅子に座れない環境やだと扱いにくい
  • (職業用や昔のミシンと比べる人は)樹脂パーツの質感が気になる人もいる

とはいえ、このくらいならグングン縫えちゃう!


SN55eは、「シンプルで、準備がラクで、フットコントローラー式で縫いやすい」という実用のツボを押さえた電動ミシンです。水平全回転釜・自動糸通し・フリーアームなど、日常使いで使いやすい要素が詰まっています。

一方で、厚物を多層で縫う・レザーなどの硬い生地を縫う・毎日長時間使うなど“本格派の用途”では、上位機(コンピューターミシン、または職業用ミシン)と比べて限界が出やすいのも事実。

「入園入学・裾上げ・小物づくり中心」

「足元で操作するフットコントローラータイプがいい」

「コスパ重視で失敗しにくい定番が欲しい」という人には、かなり相性が良い1台。

初心者でも縫う前の準備が簡単ですのでおすすめです!

とても似ているミシンで「SN20A」という電動ミシンがあります。

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「SN55e」との大きな違いは下糸が「水平全回転釜」か「垂直半回転釜」や
「針穴糸通し」機能の有無です。それ以外は大きな違いはありません。

『とにかく軽くてコンパクトな方がいい!』という方は「SN20A」を一度チェックしておいてもいいかも知れません!

ABOUT ME
けい
元ミシン屋兼ミシンアドバイザーのけいです。 このサイトでは、ミシン初心者さんから中級者さんに向けてミシンの使い方、調子が悪い時の対処方法やソーイング本などを紹介しています。